多くの中小企業がコロナの影響で引き続き厳しい状況にある中、いわゆる民間ゼロゼロ融資の返済開始時期が2023年7月ー2024年4月に集中する見込みです。
このような状況下、
ー民間ゼロゼロ融資からの借り換え
ー他の保証付融資からの借り換え
ー事業再構築などの前向きな投資に必要なあらなた資金需要
などに対応する新しい保証制度が創設されました。
一定の要件を満たした中小企業者は、「経営行動計画書」を作成し、金融機関による継続的な支援を受けることで、借入時の信用保証料を大幅に引き下げるコロナ借換保証を利用できます。これは2023年1月10日から開始しています。
経営行動計画書を作成する3ステップ
経営計画を作成していない経営者の方にはハードルが高いかもしれません。この機会に、経営計画の作成にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。今回作成が求められている経営行動計画書は、下記の要素を含みます。
①現状認識
事業概要を記した上で、外部環境と自社の強みおよび弱みを定性的に分析します。
そこから導き出される事業上の課題を明らかにしましょう。
そして、経営状況および財務状況として、売上や利益の減少にあたえている状況を記します。
事業の状況を訂正的に把握するために、直近の決算期における売上増加率、有利子負債倍率、営業利益率、営業運転資本回転期間、労働生産性、自己資本比率を算出した上で、財務分析の項目に記入します。
②将来目標
現状認識を踏まえた上で、計画終了時点における事業の具体的な将来目標を記載します。今回の借り換えを検討されている事業主においては、売上や利益が5%以上減少していることが要件とされています。減少した売上を回復している状況とは、どのような状況になっているのか、考えてみてください。
③具体的なアクションプラン
①の現状と、②の将来像との間にはギャップがあるはずです。そのギャップを埋めるためにはどのような課題があるか記入します。そして、借り換えによって資金を調達できたあかつきには、その資金を具体的にどのように使うのか、資金の活用方法について記入します。
④収支計画および返済計画
最後に、むこう5年間の収支計画と返済計画についての表を作成します。
試算表を作成することに慣れていないかたは、④の収支計画および返済計画を作成するのが難しいのではないかと思われます。そんなときは、弊社のような財務コンサルタントを活用してみたはいかがでしょうか。
経営者のみなさまにおかれましては、ふだんから事業を改善するためのアイディアや業界についての知識を豊富にお持ちのことと考えます。財務コンサルタントは、それらのアイディアや事業に対する思いを、数字に落とし込むことを得意としています。①の現状認識と、②の将来目標をお話しいただき、さらに具体的なアクションプランによるインパクトを数字でお示しいただければ、財務コンサルタントが計画表に落とし込むことができます。あるいは、現状認識や将来目標がぼんやりとしている場合には、財務コンサルタントとの対話を通じてそれらを明確化していただくことができます。
今回のコロナ借換保証制度においては、金融機関の継続的な伴走支援をうけながら、保証審査の依頼や経営行動計画書の提出を行うこととなっております。金融機関とのつきあいがそれほどでもなく、経営行動計画書をどのように作成したらいいかわからない方は、財務コンサルタントの力を利用しながら作成するのも一つの方法ではないでしょうか。