案件の処理を部下にまかせたものの、その進行状況がわからない。部下からの報告が適時にあがってこず、報告があったとおもったら、時すでに遅し、トラブルにまきこまれている、との相談だった。もっと早くに部下の進行を管理することはできなかっただろうか?
社長さんのあなたには、そんな経験はありませんか?
このような問題の原因として、部下が対処している案件上の課題が、上長からは適時に可視化されていないということが考えられます。
たとえば、経理担当者が長年自分のルールで資料を溜め込んでおり、情報が属人化してしまっているケースが考えられます。その経理担当者が長期の休暇をとったり、退職してしまうと何がどこにあるのかわからない。突然、そんな問題に直面させられ右往左往してしまいます。
本稿では、ビジネス関係者の案件上の課題を可視化し、関係者間の意思疎通を円滑にすすめていく方法として、チャットツールの導入についてご紹介します。
筆者はかつて、「チャットなんて導入して、そんなもの仕事にどう役立つのかね?」と、とある敏腕ビジネスマンがつぶやいている場面に遭遇したことがあります。もしあなたが、チャットツールについて耳にしたことはあるけれども、具体的なイメージがわかないというのであれば、ぜひ下記のメリットを検討してみてください。
具体的には、チャットワークを導入することのメリットとデメリットについて考えていきます。
チャットワーク導入のメリット・デメリット
1)関係者を一覧にできる
社内・社外を問わず、関係者個人のアカウントを作成します。これにより、今、自社には誰がかかわっているのかがわかります。
例えば、営業課長Aさん、営業担当Bさん、経理課長Cさん、経理担当Dさん
そのほか、たとえば社外の会計事務所から、所長税理士Eさん、税務担当Fさんを自社のチャットに呼びます。
2)任意のグループを作ることができる
自社のチャットに参加するメンバーが決まったら、仕事の案件ごとにチャットをたちあげます。
例えば、毎月の試算表を作成する場合には、経理課長Cさん、経理担当Dさん、税務担当FさんをメンバーとするチャットXをたちあげます。
チャットXでは、毎月試算表を作成する際に、不明点をDさんからFさんへ確認したり、Fさんが税務監査をする際に不明点をDさんやCさんへ確認するなどの用途が想定されます。
さらに、申告や決済に関するチャットYを立ち上げ、社長、経理課長Cさん、所長税理士Eさんを呼びます。
チャットYでは、末端社員までには明かせないような内容がある場合に、それについての会話を行うことが想定されます。
このように、各チャットではそれを構成するメンバーによって特定の業務に
ついて会話がかわされていくことになります。つまり、次の3)のようなメリットがうまれます。
3)誰が何をしているのか可視化される
社長は、チャットXおよびチャットYにもアクセスすることで経理の作業レベルの社員からマネジメント層の社員まで誰が何をしているのか把握できるようになります。
4)各種作業の進捗を把握できる
チャットにおいては、時系列に沿って会話が流れていきます。したがって、日常的にチャット上の会話を追うだけで、その進捗を適時に把握することが容易になります。対面や電話をかけて、「あの件はどうなっている?」とわざわざ確認する必要もなくなります。
さらに、ファイルを添付したり、外部リンクを共有できることもこれを後押しします。作業の成果物としてのファイルやクラウドストレージのリンクを共有すれば、どこに何があるのか迷うこともなくなります。
5)発言記録が残る
時系列に沿って会話が残るため、それはそのまま発言の記録となります。
たとえば、前期の決算でどのような会話がなされてのか、今期の決算を
迎える前に確認する、というような使い方が考えられます。
6)作業(タスク)に締切を設定できる
チャットのメンバーは誰であっても、自分の作業(タスク)の締め切りを
設定することができます。
例えば、下記のようなフローを考えてみましょう。
営業課長A:経費精算申請を15日までに経理担当者へ完了
↓
経理担当者D:給与計算(毎月23日までに計算を完了)
↓
経理課長C:計算結果の承認と振込申請(毎月24日までに社長に申請)
↓
社長:振込申請の承認(毎月25日に振込)
関係者A,D,Cは、各自の作業についてみずから締切を設定し完了した作業については「完了」としてステータスを変更します。これにより、作業の進捗を周囲に知らせることができます。
社長が「あの件はどうなっている?」というような質問をしなくても周囲はチャットの進行を確認すればよいのです。
7)ネット環境があればどこからでもアクセスできる
チャットに参加しているメンバーは、一堂に会している必要はありません。
ネット環境に接続している好きな場所から参加することができます。
例えば、従来、税務監査のために来社していた税務担当Fさんは、チャット導入によって会計事務所にいながらにして不明点の質問をすることができます。
8)社外ブレーンとの情報共有ができる
7)をおしすすめると、ただ作業の進捗を共有するだけではない使い方が
できるようになります。すなわち、税務、労務、法務といった専門的な知識を持つ社外のブレーンとも気軽に情報共有ができるようになります。日常的に社外ブレーンにアクセスできる環境を設計できます。
デメリット
1)コミュニケーションにタイムラグが出る
関係者がチャット画面に向かっていないときは、当然ですが関係者間の連絡がとれません。この点において、リアルな職場と対面する場合とは異なります。関係者が作業の期日を守ったり、連絡のとれるバックアップ体制をとったりすることが必要です。急ぎの案件は、リアルタイムに話せるZOOMなどのテレビ会議通話とあわせて使うことで、チャット特有のタイムラグを補いましょう。
2)チャットグループの作りすぎは管理コスト
グループをつくりすぎて、どの案件をどのチャットで話していたのか、わからなくならないようにしましょう。
さて、チャットワーク導入のメリットとデメリット、いかがだったでしょうか。社内だけでなく社外の関係者ともチャットツールを介することで、円滑なコミュニケーションが可能となります。リモートワークが当たり前になった昨今、情報共有にお悩みの方にはぜひ参考にしていただければ幸いです。
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