電力の小売自由化に伴い、700社を超える電力の供給事業者がひしめく現在、おりにふれて電気の契約を見直してみてはいかがでしょうか。インフレによる電気代の高騰が話題となる昨今は、そのいい機会となるでしょう。
実は、筆者がこのように気がついたきっかけは、下記のような個人的な体験にありました。筆者において個人で契約するB社は、従来契約していたA社よりも安くなるというふれこみでした。そこで、この2年間ほど契約を継続してきました。
しかし、このインフレによる影響で、契約上の安い価格を提供できない、という案内が届いたのです。契約の不利益変更について、メールや電話で何度も連絡があったのです。当該事業者においては、価格上昇にともなうクレームを事前に避けるためなのか、自ら契約数を減少させる施策を打っていることに驚かされました。
このことからもわかるように、従来の契約を継続していると、みすみす高騰する電気料金を払いつづけることになりかねない状況が到来しています。
では、電気を消費する側としては具体的にどのように対処したらよいのでしょうか。電力の小売が完全に自由化されたとはいっても、700社を超える電力供給事業者から選ぶには契約を進めるにも知識が必要になってきます。
まずは、電気料金を構成する一般的な要件をみていきましょう。
毎月の電気料金は、一般的に下記の料金計算式によって決定されています。
「基本料金+電力料金単価*使用電力量+(ー)燃料調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金」
それぞれの項目は、下記のような内容となっています。
基本料金 使用電力量に関係なく発生する最低料金
電力料金単価 電力を供給する各社の経営努力によって変わってくる単価
ただし、使用電力量が増えるほど3段階で単価が上がる仕組みになっています。
使用電力量 供給を受ける側において節電による削減の余地がある項目
燃料調整額 発電に必要な化石燃料の価格変動を電気料金に反映させるための料金です。
再エネ発電促進賦課金 再生エネルギーによる電気の供給を育成することを目的として定められた賦課金