インフレによって価格が上昇した費目を把握したら、次にその調達先や調達価格を見直すことができないか、検討していきましょう。ここでは、電気代を例に挙げてみたいと思います。
まずは、なぜ電気代の見直しを検討するべきなのかを考えてみます。
電力の小売自由化は、2000年3月に始まり、段階的な自由化領域の拡大を経てきました。2000年3月から、はじめは「特別高圧」と呼ばれる区分において、おもに大規模工場やデパート、オフィスビルを対象として小売自由化がはじまりました。
その後、2004年4月・2005年4月には、中小ビルや中小規模工場を対象とする「高圧」区分が小売自由化の対象となりました。
そしていよいよ2016年4月からは、家庭や商店を含むすべての消費者が、電力会社や料金メニューを選択できるようになったのです。
現在、電力を供給する事業者の数は700社を超えています。
この自由化はもともと、電力供給事業者間の競争を促すことにその制度趣旨があり、多様なサービスや料金体系が生まれるものと期待されてきました。
そうであるならば、インフレによって価格が高騰している現在こそ料金体系が本当に自社にあっているか見直しを検討してみてのよいのではないでしょうか。
電力を供給する事業者が、どのような対応をとっているのか確認するいいチャンスかもしれません。