弊社:それでは、洗い出したSWOTの項目それぞれを、持続化補助金の申請書式にどのように応用していくのでしょうか。ちなみに、経営計画の様式をみていくと、以下のようになっています。
(1)企業概要
(2)顧客ニーズと市場の動向
(3)自社や自社の提供する商品・サービスの強み
(4)経営方針・目標と今後のプラン
K: (1)については自己紹介のようなものですので、業態を記入します。私でしたら訪日外国人向けのガイドサービスおよび撮影サービスということになります。
弊社:弊社におきかえると、中小企業向けの財務支援サービスということになりますね。
K:(2)は、SWOT分析のOとTにあたる部分です。「顧客ニーズ」が潜在的な需要としての収益機会Oを示しています。また、「市場の動向」は顧客ニーズを増やしたり減らしたりすることから、TともOともなりうることを示しています。
弊社:Kさんは、ご自分の事業について、どのような顧客ニーズを見出されてのでしょうか。
K:はい、一般的にカメラマンを生業とされているかたは外国人向けのガイドスキルが乏しくガイド業をされている方はカメラの撮影スキルに乏しいというニーズを見出しました。
そこで、撮影しながらガイドができるようになったら新たな価値を提供できるのではないかと考えました。潜在顧客が抱えている悩みについて、具体的に詳細に記述できると、提供できる価値がより際立つと考えます。
弊社:そのような新たな価値の提案を企画するために、どのように「市場の動向」を把握されていたのでしょうか。
K:コロナ禍に突入する2019年当時、訪日外国人旅客数は毎月にわたり前年同月比過去最高を更新しつづけるような活況を呈していました。つまり、ガイドを必要とする旅行者の増加すなわち市場の大規模な拡大が予測できました。
弊社:訪日外国人旅行者数の拡大という市場規模の増大は、Oにあたりますね。
K:市場の動向については、自社の脅威となる要因Tに触れるよりも、収益機会Oについて分析結果を記述したほうが、採択される事業としての意義を訴えやすいのではないかと思います。
弊社:(3)については、SWOT分析におけるSであることが容易に想像できます。
K:はい、(1)および(2)で事業環境を振り返ったのち、自社の強みSについて考えることになります。
弊社:Kさんは、どのような点をアピールされたのでしょうか。
K:私は、訪日外国人向けのガイドとしての経験、カメラマンとして人を撮影した経験、これまで実際にセミナーを自主開催して人を育ててきた経験をアピールしました。強みを訴えることためには、過去の事実にもとづくことが重要だと考えます。また、それら3つの強みをかけあわせて生じる希少性を訴えました。
弊社:事業者によって過去の実績は千差万別のはずですので、事業者の個性が際立つ記入欄となりそうですね。