2022年9月13日、厚生労働省はいわゆるデジタル給与払いの制度設計案を公開しました。
デジタル給与払いとは
デジタル給与払いとは、企業が銀行口座への振込やや現金の手渡しをすることなく、スマートフォンアプリを使ったり電子マネーによって給与を振り込むことをいいます。これらを総称して、資金決済業者の口座への賃金支払といいます。
国が、デジタル給与払いを検討している背景としては、キャッシュレス決済を伸ばしていこうとしていることが考えられます。例えば、経済産業省は、2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度まで、将来的には8割まで上げることを目指しています。これにより、経済効率を高めることが期待されています。
デジタル給与払いにかかわる論点整理
今回の制度設計案では、デジタル給与払いにかかわる論点整理が行われました。
たとえば、
- 労働者の同意の必要性
- 決済の担い手となる資金移動業者の指定要件
- 資金移動業者が経営破綻した場合の資金保全
- 不正引き出しへの対応方法
など、いずれもデジタル給与払いの実現に重要な項目となっています。
デジタル給与払いが制度として確立する際には、企業にとっても利便性の高いものとなる可能性があります。制度設計に関わる議論の推移に注目していく必要がありそうです。