経理ミスが会社経営に与える負の影響
前回では、ありがちな経理ミスを列挙してみました。では、これらの経理ミスを放置したままにすると、どのような影響がでるのでしょうか。経理ミスが会社経営に与える負の影響をあらためて確認してみます。
経理ミスが会社経営にあたえる影響を知ることによって、これを防ぐ動機づけとしていきましょう。
経理ミスは、つぎのような影響を会社経営に与えます。
1.正確な業績把握の妨げとなる
まず、経理ミスが放置されたままの試算表では、会社の正確な業績を知ることができません。
2.正確な納税額を算定できない
不正確な試算表から算出された利益をもとに税額を計算しても、納税額が正確ではないということになりかねません。たとえば売上を二重に計上すると、過大な利益に対して過大な税額を計算していることになります。
3.延滞税・加算税などペナルティが課される
本来納付すべき税額を過小に申告すると、ペナルティ的な性格を持つ加算税や延滞税を課されることとなり、資金繰りに負の影響を与えます。
4.取引関係者(従業員、取引先、顧客)の信頼を失う
支払いが遅延すると、従業員や支払い先といった会社の利害関係者からの信頼を失うこととなります。
経理ミスは、関係者の信頼を失うだけでなく、会社内部での業績管理や業績把握に影響を与えます。さらに対外的にも、経理上計算された金額の誤りは、納税額の増加という形で会社の負担を余計に増やしてしまう側面も忘れてはなりません。各種の経理ミスが生じる原因を探って、これを防ぐ措置を講じていきましょう。